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笑うヒトの生活

まったく笑わない人の見られ方

世の中には日常生活の中でまったく笑顔を見せない人やほとんど笑わないような人が実際に存在しています。

私もどちらかといえば、かつてはこちらの笑わない人の部類に入っていました。

親が教師だった影響もあり、幼少から真面目に勉強することが良いことで、ふざけて笑うなど程度が低いことだという価値観で生きていたように思います。

しかし、このような笑わない人と接しなければならないとすると、あなたはどのような気持ちになるでしょうか。

もし、あなたがその人に対してどんな言葉を投げかけても笑ってくれないとすると、あなたはその人に対しておそらく「とっつきにくい」「近づきがたい」と感じるでしょうし、やがてその人とコミュニケーションを取ること自体に不安や緊張感を強いられることになります。

私自身、自分では真面目にやっているつもりなのに、周りの評価がイマイチ良くないことにとても不満を感じており、それでますます笑わなくなるといういわゆる悪循環に陥っていたのです。

このような状況において、「笑う門に福来たる」「笑うと幸せになれる」という言葉を聞いても自分にはまったく響いてこないのです。

自分の身に何か「楽しいこと」や「嬉しいこと」などが起これば笑えるのでしょうが、そういうものがないのにみずからわざわざ笑うなどということはありえないと思っていたわけです。

「笑い」があなたの環境を変えていく

さて、このようにまったく笑わない人が、あるときから何かのきっかけで笑顔や笑いを見せるようになったとしたらあなたはどのように感じるでしょうか。

おそらく、これまでとは違ってあなたはその人に対して少なくとも安心感を抱くようになるでしょう。

もし、その人の笑顔や笑いを通じてコミュニケーションが取りやすくなってくると、そのうちその人に対する親近感や信頼感を抱くまでになると思います。

ここまでくれば、今後、その人が困った状況に陥ることがあれば力になりたいという気持ちも周りの人たちには生まれてくるでしょう。

つまり、笑わない人が笑うようになるだけで、その人に対する周囲の印象がまったく違ってくるようになり、そこから自分の環境がプラスの方向に変わっていくのです。

私自身も「笑い」の研究に取り組み始めてからその効果についていろいろと調べるようになりました。

その過程で人とのコミュニケーションにおける笑いの効果を実際に自分で検証するため、他人から見て分かるような笑顔を努めて作るようにしてみました。

すると、周囲の人から私に向けられる評価やコミュニケーションのあり方が明らかに変わってきたのです。

それまで真面目一辺倒で取っつきにくかったところがなぜか相手から話しかけられるようになりました。

また、人とのコミュニケーションがうまくいきはじめると、たとえ自分の身に何か困ったことが起こっても気にかけてくれるようになりました。

まさに、笑いの効果を自分の体験として実感することになったわけです。

みずから「笑い」を生み出す姿勢

「笑う門には福来たる」という言葉を私自身の経験を元に言い換えてみると、笑いが自然と起こるような「嬉しいこと」「楽しいこと」が自分の身に起こることをただ待つだけといった受け身の姿勢から、何もなくてもみずから笑うような能動的な姿勢に変わったということなのです。

通常、「笑いが起こるのを待つのではなく、みずから笑いましょう」という言葉を聞いたとしても、やはりそこには「わざわざ感」がつきまといます。

私たち人間にとっての「笑い」とは、それほどまでに「自分の身に勝手に笑いが起こるのを待つ」といった受動的な行動だといえるのです。

しかし、だからこそ「笑い」と「福」という因果を逆転させることで、身の回りの出来事や物事に対して能動的な姿勢で臨むような格言が出てくるわけです。

自分にとっての「福」が与えられるのを待っているだけの状況から、「笑い」という能動性を発揮して自分の欲するものをみずからの意思で手に入れようとする姿勢は、その人にとっての幸せにつながるものだといえるのではないでしょうか。

以上、「笑い」と「福」との関係について理屈で考えてみましたが、「笑い」の効果はやはり実際に笑ってみることから生じるものです。

あなたも「笑顔が素敵だね」といわれるぐらいに周囲の人にはっきりと分かるような笑顔を作ってみてください。

それまでとはまったく違った世界が見えてくるはずです。