「笑い」の特徴――実は「笑わされている」のです

私たち人間は、日々の生活の中で「笑い」という行為をあまりにも無意識のうちに行っているため、その正体について考えることはほとんどしていません。

事実、笑いの研究に取り組んでいた私であってもそれを考える前までは大した意味はないと考えていました。

しかし、自分が笑いの特徴やそれを計測する方法についての研究に実際に取り組んでみると、身近であるがゆえに思い込んでいたことが多々あることに気づきました。

今回は、そのひとつである、私たちは笑っているのではなく「笑わされている」についてご紹介します。

「笑い」は無意識で反射的な受け身の行為

毎日の生活の中で「笑い」を活用して心豊かな生活を送ることを目指す場合、まず、あなたに認識して欲しいことがあります。

それは、「笑い」はもともと能動的な行動ではないということです。

これは言い換えると、笑っている人は自分では「私は笑っている」と感じているのですが、それはその人の思い込みでしかなく、実は笑っている人は「笑わされている」ということなのです。

たとえば、あなたがテレビで落語や漫才などの演芸、あるいはその他バラエティ番組などを見て自分が笑ったとしましょう。

このとき、もし、あなたは自分の見たものが「面白かった」場合、あなたは笑います。

逆に、それが「面白くなかった」場合、あなたは笑いません。

一見、これは当たり前のことのように思います。

さて、ここであなたに質問です。

あなたがそのときに感じた「面白い」「面白くない」という感覚や、そこで笑ったという行動は自分で意識して選んだものでしょうか?

おそらく、「気づいたら自分がそれを面白く感じて、いつの間にか笑っていた」というのが正直なところだと思います。

これはつまり、笑いとはその人にとって「面白い」と感じられる刺激が来たら笑い、そうでない場合は笑わないという、ほとんど自動的で反射的に出てくる行動なのです。

「笑うヒト」は「みずから笑いをつくる」

多くの人は、「日々の生活の中でもっと笑いましょう!」と勧められると、いわゆる「お笑い」のようなもの、言い換えれば「自分を楽しませてくれるもの」に触れて笑おうとします。

これはこれで良いのですが、このような刺激を受けて受け身的に笑うタイプの笑いは、いくら最初に面白い刺激に出会ったとしても、それに何度も触れることによって慣れが生じて面白みが感じられなくなり、飽きてしまうという欠点があるのです。

いったん飽きてしまうと自分は笑えなくなるため、また別のものを探し続けることになります。

このような受け身的な笑いに対して、「能動的な笑い」が存在しています。

人間は、別に面白いという感情がなくても、笑顔を作ることができますし、声に出して笑うこともできます。

「笑うヒト」は、このような笑いの特性を理解しており、彼らはみずから「笑いをつくる」ことから人生において困難な局面に遭遇しても笑いで乗り越えたり人生を楽しみながら生きることを実践しています。

この「笑いをつくる」の「つくる」は、「みずから笑うことによって笑いを作り出す」ことと、「自分以外の周囲の人びとを笑わせる」という2つの意味を指しています。

「笑い」は気分や緊張をリラックスさせ、精神的な余裕を生み出す効果があります。

あなたの身の回りにも、みずからよく笑い、周囲の人びとを笑わせているような人気者がいるはずです。

受身的に笑いを待ち続けるのではなく、みずから笑いを作り出す習慣を身につけていくことで「笑うヒト」を目指していきたいものです。

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