学会発表を行う――研究を進展させる手がかりを得る

大学における研究活動と切り離せないもののひとつとして、「学会」というものがあります。

この学会については、研究者以外の人であればほとんど関わることのない縁遠いものだといえるでしょう。

今回は、学会というものがどういうもので研究とどのような関係にあるのかについてご紹介していきましょう。

学会の特徴と役割

まず、学会とは何かですが、これはその分野・領域の研究者や専門家の集まりのことです。

それで、何のために集まっているのかというと、その分野・領域において自分の成し遂げた研究の成果をお互いに発表して参考にしたり意見をもらったりすることを通してその分野・領域における研究を進展させるためだといえるでしょう。

また、多くの学会では発表だけでなく、その学会に所属する人が執筆・投稿した研究論文を集めて「学会誌」というものを発行しており、会員の人たちが研究の成果が記載された学術論文を読むことでみずからの研究を進めるための手がかりとすることができます。

なお、研究論文を執筆して学会誌に投稿してそこに掲載されることは、近年、博士論文を提出して審査してもらうための条件として設定されることが多いため、大学院の博士課程後期課程に在籍して博士号を取得しようとする人にとっては、自分自身の研究テーマに関連する学会に所属することはほとんど必須だといえます。

次に、学会において発表や論文を投稿するためには、その学会に所属している必要があります。

学会に所属するためには、その学会に所属したい旨を連絡して承認を得られれば参加ができます。

その際、年会費を支払って所属することがほとんどですが、学会によってはすでにその学会に所属している人からの紹介が必要な場合もあります。

なお、日本における学会の数としては、文系・理系を合わせて約1200団体が存在するといわれています。

一般に、学術的な研究というものはそれぞれの研究者の自分自身の興味関心によって進められることが多いため、ひとりで行うという性質が強くなりがちです。

そのため、多くの研究者や専門家の知見を学会という形で集結させてそれらを共有することで、その分野・領域の研究全体を推し進めていくことができ、その意味で学会という存在は必要不可欠なものだといえるでしょう。

学会における研究発表を活用する

私自身もこれまでいくつかの何度か学会で発表をした経験がありますので、学会の活用の仕方というものをご紹介しましょう。

多くの学会では年に1~2回、学術研究集会/研究大会という形でその学会に所属する人が一箇所に集まり、2日~1週間程度の期間にわたってお互いの研究成果を披露する場が設けられています。

その際、大学が学会の会場となる場合が多いのですが、会員数が数万人にも及ぶような大規模な学会の場合はホテルやイベント会場を貸し切って開催されることもあります。

また、学術大会のプログラムとして、研究成果の発表以外にもあるテーマについて複数の人が議論を交わす「シンポジウム」や著名な研究者やゲストを招いた講演会が同時に開催されることもあります。

学術大会での発表については、聴衆の前に立って研究成果の内容を説明する「口頭発表」と、研究成果をポスターの形で壁に貼り出してその前に立って説明をする「ポスター発表」が一般的で、どちらも自分のそれまで研究してきた対象とその分析や考察で得られた知見や結論を発表します。

口頭発表の場合は、発表者の持ち時間はおおよそ15~20分で、その後に質疑応答の時間があることが一般的です。

発表者もその発表内容を聞く聴衆も質疑応答や意見交換を通してお互いの研究分野や研究の方向性などについて議論を深めることを目的としています。

ポスター発表の場合は、あらかじめ研究成果を紙やポスターという形で壁やボードに貼り付けて発表者がその前で待機をしておきます。

発表者はその内容に興味を持って近づいてきた人びとに対してその内容を説明をすることが一般的です。

ポスター発表の場合は口頭発表よりもはるかに多くの研究発表を一度に提示できることと、発表者とより近いところで深い議論をするのに適した発表形態だといえます。

ただ、どちらの発表であったとしても、自分がそれまで行ってきたある研究テーマに対する分析や考察に対して、参加者からさまざまな意見や指摘、新しい視点などを議論することによって、発表者と参加者の双方にとってみずからの研究の参考にすることができるわけです。

学会に所属してみる

一般の人からすると学会という存在は敷居が高いと感じられることもありますが、いろいろなものの見方や考え方にふれることで知的好奇心を刺激されることは間違いありません。

なお、学会とはその分野の研究者や専門家の集まりという説明をしましたが、学会によっては一般の方でも所属できるところもあります。

本サイトでご紹介している「日本笑い学会」は代表的な市民参加型の学会ですので、学会というものに触れてみたいと考える人や「笑い」を少し真面目に考えてみたい人にはその最初の一歩として参加してみることをオススメしております。