「笑い」の健康に対する効果と効能(1)

あなたは毎日どれくらい笑っているでしょうか。

あなたも日々の生活の中で何かのきっかけがあって大きな声で笑ったとき、ココロもカラダもスッキリした気持ちになった経験をしたことがあると思います。

近年では、笑うことには心身の健康に良い効果・効能があるという研究成果が出てきており、医学的なデータからもその検証が進められてきています。

以下に、笑いの健康に対する効果・効能の例を挙げてみました。

笑いと健康との関係の中で、いくつかの重要な研究を紹介していきます。

「笑い」はガンに効く

笑いが健康におよぼす効果の中でもっとも有名な研究は、笑いがNK細胞を活性化するというものでしょう。

このNK細胞とは、ナチュラル・キラー(Natural Killer)のことで、ガン細胞をやっつける免疫細胞のことをあらわしています。

人間の身体では、毎日5000個近くのガン細胞が生まれているのですが、なぜ私たちがガンにならないかというと、その数をはるかに上回る数のNK細胞が免疫としてガン細胞を破壊するからです。

このNK細胞は笑うことによって活性化するということが笑いの実験の結果で判明したのです。

これは1994年、大阪のなんばグランド花月において、伊丹仁朗先生によって行われた笑いの実験です。

この実験では、20~62歳までの男女19名を対象に3時間の落語、漫才、新喜劇を鑑賞してもらい、鑑賞前と鑑賞後の採血によって各人のNK活性を調査しました。

その結果、鑑賞前にNK活性が低かった5人について、鑑賞後にはNK活性が全員正常範囲にまで上昇していました。

もちろん、ガンになる要因としては日頃の不摂生や不健康な生活習慣によるものが多いわけですが、「笑い」のある生活を心がけることで、それがひいてはガンの予防につながっていくということなのです。

「笑い」は糖尿病に効く

現在、糖尿病は日本人の5人に1人はその患者か予備軍であり、国民病といってもよいほど蔓延している病気です。

この糖尿病について、笑いが効果を発揮するという実験結果が得られた研究が存在しています。

この実験は、筑波大学の村上和雄名誉教授によって2003年に行われたものです。

中高年の糖尿病の患者に協力の下、昼食直後に漫才を40分間鑑賞してもらって、それを見る前と見た後それぞれの血中の血糖値を比較しました。

すると、糖尿病の患者であれば通常は昼食後に異常に上がる血糖値が、適正値の範囲内に抑えられたというものです。

通常、糖尿病の血糖値の抑制には、食事制限やインシュリンの投与、運動などがその手段として用いられているのですが、それが笑いによってコントロールできることについて、当時大変話題になりました。