「笑うヒト」とは何か?
当サイトでは、みなさんに心豊かな生活や人生を送って頂くべく、「笑い」の効用やそこに秘められたチカラに関する情報を発信しています。
ただ、笑いといっても単に「お笑い」といったバラエティ的なものだけを扱っているわけではなく、人間にとっての笑いというものをマジメに正面から取り上げています。
まずは、私が「笑い」をどのようにとらえているのかについて話すことからスタートしましょう。
「笑い」のない生活の行き着いた先
私が「笑いの研究をしている」ことを周囲の人びとに言うと、どうにも「お笑い」や「バラエティ」に通じる「ふざけた」「不真面目」なイメージを持たれてしまうせいか、「くだらない」「何の役に立つの?」といった反応が返ってくることが多く、なぜそのような研究をする必要があるのかについて理解されることに苦労してきた経験があります。
私自身が「笑い」の研究に取り組んできた背景には、あるひとつのきっかけがありました。
それは大学時代に私が所属していた部活の後輩が自殺してしまったことです。
私自身は大学を卒業してから大学院に進学しましたが、大学の後輩は卒業後に一般企業に就職して社会人としての道を歩み始めました。
その後、何年か経ってから大学時代の友人に会った際、後輩のうちの2人がすでに亡くなったことを聞かされました。
時期は違いますが2人の亡くなった原因は自殺で、一人は首を吊って、一人は高層マンションからの飛び降りだったそうです。
後輩のどちらも人間として真面目で誠実で、とても良い人柄だったことを覚えています。
ただ、それゆえに職場での長時間の過重労働で心に余裕がなくなり、多大なストレスを抱えてしまってみずから死を選んだということでした。
折しも笑いの効用や効果について研究していた私はそのことを聞いたときに、「後輩がそこで少しでも笑うことができれば、結果は変わったのかもしれない」と感じたのです。
「笑うヒト」になることを目指す
人間は肉体的に追い詰められてくると、精神的な部分で心に余裕がなくなってきます。
そうなると日々の生活や風景が色あせて見えてきて、さらにその状況が進んでくると笑うこともしなくなってしまいます。
私たち人間の「笑い」には、追い詰められた精神状況においても心に余裕を生み出す効果があります。
みなさんもしんどい状況やつらい状況で、何かのはずみで笑ったりすると一瞬でも気分がスッキリした経験をされたことがあるでしょう。
後輩も、仕事で死にたくなるぐらいに追い詰められている状況や、そこから逃げようとしない自分の姿に少しでも「オカシイ!」「変だぞ?」と感じて、そんな環境に置かれて悩んでいることそのものを「くだらない!」という気持ちで少しでも笑い飛ばすことができたならば、死を選ぶ以外の選択肢もありえたと思うのです。
後輩の自殺は私にとって大変ショッキングな出来事でしたが、私たちが生きるこの現代社会を改めて見渡してみると、長期的な経済不況や過労死、多大なストレスによる精神的疾患、その他さまざまな原因による自殺などが問題になっています。
つまり、どんな人でもいつ何時、ちょっとした出来事の変化をきっかけとしてそのような状況に陥ってしまうのか分からないともいえるのです。
そのため、私は自分がこれまで行ってきた「笑い」の研究で見出してきた発見の数々を私たち人間が遭遇する困難な状況に打ち克つための「生きる知恵」としていくことが急務であると考えるようになりました。
当サイトで標榜する「笑うヒト」は、笑いというものに備わる心身を活性化(リセットあるいは再起動)させるチカラを活用して、どのような困難な状況に置かれても心豊かに生きることを目指すひとつの人間のあり方をあらわしています。