「笑い」とユーモアをゲーム的に生み出す方法
本サイトでも何度かお伝えしているように、「笑い」は出来事や物事を表現する言葉のズレから生じます。
そのため、笑いを増やしていこうと考えるならば、まずはこのズレをいかに生み出していけるかがそのカギを握っているといえます。
とはいえ、実際にどうすればズレを生み出していけるのかについて悩む人も多いでしょう。
そこで今回は、「4Wゲーム」というものを例に挙げながらズレと笑い、さらにはあなたの生活を豊かにしていくためのコツをご紹介していきます。
「4Wゲーム」で言葉のズレを生み出す
「4Wゲーム」とは、別名「いつ、どこで、だれが、どうしたゲーム」とも呼ばれており、「いつ」「どこで」「だれが」「どうした」をあらわす言葉を紙に書いて集めて、それらを一枚ずつ抜き出しながら文章につなげるというものです。
それぞれの頭文字(When、Where、Who、What)を取っているので4Wゲームなのですが、あなたもこれまでに遊びとして実際にやったことがあるかもしれません。
この4Wゲームは、紙と鉛筆を用意するだけで簡単にできます。
まず、紙を細かく切って「いつ」「どこで」「だれが」「どうした」の組に分けて、それぞれに対応する言葉を自由に書いていきます。
それぞれの言葉を紙に書き終えたら、次に「いつ」「どこで」「だれが」「どうした」の順番で紙を一枚ずつ抜き出していき、ひとつの文章にしていきます。
そうすると、文脈がバラバラな言葉が集まることでありえない組み合わせの文章ができあがるというわけです。
たとえば、「平安時代に、コンビニで、イチローが、サーフィンをした」のような文章ができあがります。
この文章を見てその状況を実際に頭のなかで想像してみると、「何で平安時代にコンビニがあるの?」「イチローという野球選手が海のないところでサーフィンをしている」など、いろいろなツッコミどころが出てきてかなり笑えるということになります。
このように、ありえないもの同士がつながることでそこにズレが生まれ、そこから笑いが生じるわけです。
この4Wゲームはひとりでもできますが、多くの人と集まったところで行うとみんなで簡単に笑うことができますので、ぜひともチャレンジしてみてください。
「4Wゲーム」を応用してユーモア・センスを磨いていく
4Wゲームでは、「いつ」「どこで」「だれが」「どうした」の要素を別のものにズラしていくことで「面白さ」や「おかしさ」が生まれ、そこから「笑い」が出てくるという構造になっています。
実は、テレビなどであなたが見ている漫才やコントのネタというものは、この4Wゲームのテクニックを応用してその台本が作られています。
あなたもよくご存じのとおり、漫才やコントでは、ある状況を想定したなかである登場人物がその状況ではとてもありえない行動をするという形で笑いを取るということが行われています。
このありえない状況を考えるために、先に挙げた4Wゲームの文脈のズラしのテクニックが用いられているというわけです。
また、あなたの身の回りには周囲の人を笑わせるのが得意な人やユーモア・センスに長けた人がいると思います。
そのような人の会話の内容を聞いていると、あることを伝える場合でもちょっとズラした表現をしていたり、「面白い」「おかしい」言い方をしたりしていることに気づきます。
このユーモア・センスは一朝一夕にすぐに身につくものではないのですが、先に挙げた4Wゲームをあなたの会話に応用していくと、簡単に笑いやユーモアを生み出すことができるようになります。
あなたも自分が普段が行っている会話の中で、「いつ」「どこで」「だれが」「どうした」の要素を別の表現で言い換えてみたり、状況を大げさにして表現するといった意識を持つだけでも、あなたの会話にはバリエーションが出てくることになります。
さらに、ユーモア・センスや「笑い」を取ることだけにとどまらず、この4Wゲームは仕事において新しい企画やアイデアを考える際にも活用することができます。
たとえば、顧客の行動や商品が使われる状況を「いつ」「どこで」「だれが」「どうした」の要素に沿っていろいろと列挙したり組み替えたりすることで、ありえない文脈や状況を想定することができます。
このありえない状況を手がかりとして、今まで誰も思いつかなかった新しい視点や商品・企画を考え出すことができるのです。