「笑いのツボ」で相性の良し悪しが分かる理由

「笑い」は、人と人とのコミュニケーションにおいて、自分と相手との相性を診断する上でかなり重要な役割を果たしています。

たとえば、あなたと誰かが何か一緒の出来事や物事を見聞きしていて、そこでまったく同時に2人で笑ったときに、「あっ、この人とは相性が良いかも知れない!」と感じた経験はないでしょうか。

逆に、その人と自分との笑ったタイミングがズレていると、「あまりこの人とは相性が良くないのかな?」という感覚を抱いたことはありませんか。

なぜ、「笑い」のタイミングが一致したり、逆にそれが一致していないことでこのような感覚のズレが生じるのかについて、あなたは考えたことがありますか?

その理由は、まさに「笑い」私たち人間にとって目の前に提示された刺激に対する無意識的・反射的な反応であることから生じているのです。

「笑い」にはあなたホンネがあらわれる

当サイトでも何度か触れているように、「笑い」は私たち人間が目の前の出来事や物事に対して「これは面白いから笑おう」「これはつまらないから笑わないでおこう」などという自分の意識で選択するような能動的な行動ではないということです。

目の前の出来事や物事が「面白い」と感じた瞬間に私たちは「笑ってしまって」いますし、面白くなければ笑っていないだけのことであり、このように「笑い」は私たち人間にとってほとんど反射的で無意識的な行動なのです。

しかし、これは逆にいえば、目の前の出来事や物事に対して自分が笑ったということは、自分はそれについて「面白い」「面白くない」という価値判断を無意識のうちに下しているということになります。

つまり、笑いには、目の前の出来事や物事に対するその人の嘘偽りのない本当に正直な気持ちが反映されているのです。

この「笑い」があらわす正直な気持ちが、あなたと誰かが一緒に笑ったときに「相性が良い」と感じさせたり、それが食い違っていて「あまり相性が良くない気がする」という気持ちを抱かせたりすることにつながっているのです。

また、「笑い」がどのようなときに出てくるのかについては、それぞれの人がそれまで身につけてきた知識や経験などが色濃く反映されています。

そのため、自分とある人とが目の前の出来事や物事に対して同じタイミングで笑ったということは、自分もその人もそれら対して似たような捉え方をしているということのあらわれとなります。

いわゆる「笑いのツボ」という言葉の裏側には、このような人間の「笑い」を支えるさまざまな要素の積み重ねがあるのです。

「笑い測定機」で相性を診断する

なお、私が笑い測定機の開発に携わっている当初から、このような「笑い」の一致・不一致から相性診断を行うようなシステムを開発する話は出てきていました。

もともと、人間同士の相性というものは目に見えないもので感覚的に捉えられるものですが、「笑い」にはその人の嘘偽りのない気持ちがあらわれますので、笑い測定機を使って「笑いのツボ」の一致度を計測することで、その場にいる人びとの相性診断をしようという試みだったわけです。

実際、私たちも笑い測定機を複数の人びとに装着してもらい、それぞれの人同士の相性を診断するようなシステムを構築していました。

そこで分かったのは、人間にとってこの笑いのタイミングのズレというものに対してはものすごく敏感で、とても短い時間でそれが判定されているということでした。

「笑い」のタイミングが一致していた人とそれがズレていた人のそれぞれのデータおよび笑った人との感想とを比較してみると、約0.2秒前後という非常に短い時間のズレが生じただけで、人間は「自分と相手の笑いのタイミングがズレている」と感じていたのです。

このように、私たち人間はいろいろな人との日々の会話やコミュニケーションの中で無意識のうちに笑いをやり取りしていますが、そうであるがゆえにそこで生じた笑いの違いを敏感に察知しながら、周囲の人びととの関係性をさまざまに変化させているのです。

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