「笑い」を使って対人関係を良くするコツ
「笑い」は、私たちが思っている以上に人びとに移りやすい「伝染力」の強い行為です。
たとえば、あなたがお店などに行き、店員さんに満面の笑顔で出迎えられれば、少なくとも嫌な気持ちにはならないでしょうし、その人の笑顔を見ながら話をしているだけで知らず知らずのうちに自分も笑顔になっていることもあります。
このとき、もし自分が笑顔を見せるまでにコミュニケーションを取っていたならば、あなたはその店員さんに対してかなりの親近感を抱いている状態になっているはずです。
また、テレビのバラエティ番組では、笑いの起こる場面に「ラフトラック」(Laugh Track)というあらかじめ録音された観客の笑い声を後から編集で追加していることもあります。
テレビを見る視聴者はこのラフトラックの笑い声を聞くことによって、それにつられて笑いが誘発されたりより楽しい気分になったりすることができます。
このように、笑いが他の人にうつることにはさまざまなメリットを考えることができるのです。
「笑い」を他人にうつす一番簡単な方法
私たちが周りの人を笑わせようと考えた場合、わざわざ何かお笑いネタのようなものを準備する必要があるのではないかと考えてしまうかもしれません。
しかし、先にも挙げたように、笑顔と笑い声は伝染力の強いものですので、目の前の人を笑わせるための一番簡単な方法は、「自分から笑うこと」なのです。
ただし、ここでひとつだけ注意点があります。
それは、自分では「笑っているな」と感じていても、実はそれは周りの人から見てもほとんど笑っているようには見えないということです。
これは特に表情に顕著で、自分では「ちょっとこれは大げさではないかな?」と感じるぐらいでやっと笑っていることが相手にはっきりと伝わるということなのです。
自分の笑いで相手を笑わせようとするならば、やはり相手が自分の笑いに気づいた上でそれを伝染させるぐらいのはっきりした笑いの力が必要だといえるでしょう。
私自身、笑いの研究をしながらこのことに気づき、それ以来、他の人のいる前で笑顔を見せるときには自分でも「多少大げさかな?」というぐらいにより大きな笑顔を作るようにしました。
すると、周囲の人から「板村さんは笑顔が素敵だね」と言われるぐらいにまで評価されるようになりました。
仕事柄、初対面の人と会って話をすることが多いのですが、お話をする中で私の笑顔を見ることによってみなさんとても安心されるようで、自分の想像以上にその方たちから信頼を寄せて頂き、その後の仕事の話などがとてもスムーズに進むということを何度も経験しています。
少し大げさに笑うというのは多少なりとも恥ずかしいかもしれませんが、他人から見ると逆にちょっと大げさなぐらいがちょうど良いのです。
ですので、笑顔になるときにはしっかりと口角を上げて笑い、笑い声を上げるときにははっきりと声を出して笑うということを心がけるだけでも、周囲の人のあなたに対する評価はポジティブなものになってきます。
あなたも、ぜひ、お試しください。