「笑い」のマーケティング・リサーチ

「笑い測定機」という人間の「笑い」を測定する装置を用いることで、「笑い」でマーケティング・リサーチを行うことが可能になります。

この笑いのマーケティングでは、調査対象者の笑いのデータを笑い測定機でリサーチ・収集し、それを経営判断やマーケティング戦略に活用していきます。

このような笑いの調査方法は、笑い測定機を開発した私たちしか行っておりませんので、 実質上、世界で唯一のリサーチ・サービスとなるわけです。

「笑いを測ったデータが何の役に立つのか?」と思われる方も多いと思いますので、今回は、リサーチ業界の動向とその変化をふまえて、笑いのリサーチが求められている現状についてご紹介します。

従来のマーケティング・リサーチの課題

あなたは「マーケティング」や「リサーチ」という言葉からどんな調査をしているイメージを持たれるでしょうか?

ご想像通り、一般的にはたくさんの調査対象者にアンケートを配布し、そこで答えてもらったデータを収集・解析するというものです。

マーケティングやリサーチの業界では長らくこのような方法が用いられてきたのですが、時代が進むにつれてこの方法に疑問が投げかけられるようになってきました。

たとえば、消費者を対象とした調査をしたときにアンケートを配ってその内容に答えてもらったとします。

このときにまず問題となるのは、アンケート用紙そのものです。

当然のことながら、このアンケート用紙はリサーチャー(調査者実施者)があらかじめ作成するわけですが、そこに記載された質問項目はそのリサーチャーの主観によって作成されているため、そこから外れた意見については調査対象者から聞くことはできないという問題が出てきます。

次に、その質問に答える消費者すなわち調査対象者の側にも問題があります。

マーケティングや市場調査をする際には「消費者のニーズ」を聞きたいわけですが、調査対象者その人が自分の欲しいものを把握していなかったりそもそも意識すらしていなかったりするということがあるわけです。

このようなことから、近年のマーケティングやリサーチの業界では従来のアンケートや言葉を用いた調査方法では消費者のニーズ、特にその潜在的なニーズを把握することには限界が見えてきているといった状況にあるのです。

「笑い」のマーケティング・リサーチへの期待

そこで、最近のマーケティング・リサーチの業界では、消費者すなわち調査対象者自身も意識していないような無意識で潜在的なニーズを「見える化」するための手法の開発が進んでいます。

たとえば、パソコンの画面を見たときに調査対象者がどのように「視線」を動かすのかという「アイトラッキング」手法や、調査対象者の緊張状態を唾液から判定するといった方法が開発されています。

ここで共通するのは、消費者である調査対象者が示す身体の反応をデータ化しようとしていることです。

身体反応は消費者の意識が介在しづらい部分ですので、そこをデータ化することによって本人が意識もしていないところのニーズを探ろうという手法が試みられていることになります。

笑い測定機を用いた「笑い」のマーケティング・リサーチもこの延長線上にある調査方法になります。

「笑い」には、ある人が何かの刺激に対して「面白い」「楽しい」といったポジティブな感情が付随しており、しかもその人が「笑った/笑わない」という判断については本人の意図とは関係なく反射的かつ無意識的に行われています。

これを使えば、たとえば、調査対象者にあるコンテンツを提示したときの「笑った/笑わない」をデータとして把握することで、その人が無意識的に判断した、すなわちその人自身も意識していなかったポジティブな感情を客観的・数量的に把握することができるのです。

その他、ある人びとの笑いの量から「幸福度」を算定したり、誰かと誰かの笑いの発生のタイミングが一致しているかズレているかでその人達の相性を診断したりするといったような今までになかったマーケティング・リサーチが可能となるのです。

「笑い」のマーケティング・リサーチの実例

実際に、これまで私が企業からオファーされたコンサルタント事例をご紹介します。

ある人材関連の大手企業さんからは、新卒採用の際に「ユニークな人材を採りたい」という希望があり、そこに笑い測定機を使いたいという要望がありました。

企業の面接の場で何人かの面接官に笑い測定機をつけた状態で学生さんに何か面白いことや一発芸などをしてもらい、そこで面接官が笑うかどうかで学生のユニークさを判断するというものです。

その際、笑い測定機では、複数の人の笑いのデータが検出できますので、どこでどれくらい笑ったのかについても示すことができるのです。

また、ある建設関係の企業さんからは、同社が所有するマンションに住む人の生活の「満足度」を笑いの発生具合から数量的に導き出したいという要望がありました。

さらに、とある地方自治体のイベントのひとつである「婚活イベント」で使いたいというオファーも寄せられました。

これは、たとえば、みなさんが誰かと一緒にテレビや映画などを見ていて、一緒に笑うと「この人とは笑いの相性が良いな」と感じたり、逆に笑いのツボが違うと「この人とは相性が合わないかも」と感じた経験を一度か二度はしたことがあるでしょう。

婚活イベントでは、笑い測定機をつけた状態で男の人と女の人が話をしてみて、話が盛り上がって笑いが多かった人とそうでなかった人を分けることで、どの人といるときに一番相性が良かったのかを診断するという使い方になります。

「笑い」は自分が考えるよりも前に出てしまう無意識の反応ですので、もっとも正直で嘘のつけない判断となります。

人間関係の相性の良し悪しを「笑い」から客観的に数値で判断するという、これまでになかった笑い測定機ならではの活用法といえます。

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