「笑い測定機」は何に使えるのか?(2)
前回に引き続き、「笑い測定機」の活用方法についてご紹介します。
単に「笑い」を測るというだけのことですが、実際のその活用法を5年以上にわたって考え続けてみると「こんな使い方があったのか!?」と驚くこと請け合いです。
テレビの視聴率ならぬ「視笑率」(ししょうりつ)
テレビの視聴率の代わりに視聴者がどれだけ楽しんでテレビを見て笑っているかを 「視笑率」(ししょうりつ)として算出する方法です。
現在、テレビの視聴率はテレビがどのチャンネルを映しているかを測定しているだけですので、視聴者の反応については分からないようになっています。
テレビの前で視聴者が笑っているという反応が分かるようであれば、それは彼らが楽しみながらその番組を見ているということになります。
また、視聴者のポジティブな反応が分かるようになれば、そのデータを元により質の高い番組づくりに貢献することができます。
テレビ以外のマス・メディアにも応用できますので、インターネットと連携させることでそのデータの蓄積も可能となります。
明るい職場・楽しい場所の指標
多くの人びとの「笑い」が溢れている場所は、とても明るい場所だということができます。
このことから、その場にいる人びとの笑いを測定して合計することで、その場がどれくらいポジティブな雰囲気に包まれているのかを数値であらわすことができます。
たとえば、自分が働いている職場がどれくらい笑いにあふれている明るいところか、店舗の笑いを測定することでそこを利用する顧客がどれほど明るい気持ちになっているのか、あるいは遊園地やテーマパークなどでひとつのアトラクションがどれくらいお客様の満足につながっているのかなどを「笑い」のデータを指標として評価することができます。
笑いを測定することで、このようなマーケティング・リサーチのようなことも可能となるのです。
なお、笑いを用いたマーケティング・リサーチについては、こちらの「笑い」のマーケティング・リサーチのページもあわせてご参照ください。
人間同士の「相性診断」
ある人とある人との「笑いが発生したタイミング」を比較することで、相性や人間関係を診断することができます。
これはたとえば、あなたと誰か(友人や恋人や家族など)が一緒に何かのテレビ番組や映画などを見ていて、あるシーンを見て笑ったとします。
このとき、自分と相手が一緒のタイミングで笑った場合には「この人とは笑いのツボが一緒で相性が良いな」と感じるでしょう。
逆にそのタイミングがズレていたり、どちらかがまったく笑っていなかったとしたら「この人とは相性が悪いかもしれない」という印象を抱きます。
この笑いのタイミングのズレは時間にして0.1~0.2秒なのですが、このような非常に短い時間のズレでも私たち人間は敏感に感じ取ってそのような評価を判定しています。
しかも、これは無意識の反応ですので、嘘がつけないその人の本音の部分が分かることになります。
このような笑いの発生タイミングを使うことによって、たとえば婚活パーティーなどに参加する人びとにあるコンテンツを視聴してもらい、「どれくらい笑い合っているか」に加えて「どれくらい一緒のタイミングで笑っているか」を判定するといった相性診断に応用することが可能となります。