笑い測定機で「笑い」を「見える化」する
私たち人間の「笑い」は、顔、喉、腹の3つの部分の動きとしてあらわれます。
笑ったときに反応するこれらの部位の動きについては見ればすぐに分かるわけですが、それを機械のセンサーを通して捉えようというものが、笑い測定機の取り組みなのです。
機械を通して見える笑いは、普段、私たちが目にしているものとはまったく違って見えてきます。
今回は、笑い測定機を通して私たち人間の笑いがどのように見えるのかについてご紹介します。
笑い測定機で測定された各部位の「笑い」
それでは、実際に「笑い測定機」を用いてそれぞれの部位の笑いを見てみましょう。
「横隔膜式笑い測定機」では筋電計の機能を応用し、人間が笑ったときに反応する「顔」「喉」「腹」という3つの部位の動きを一度に把握できる「3点測定システム」を構築しています。
このシステムでは、「顔」と「腹」の部分に筋電計の電極を貼付するとともに、「喉」の部分に音声を取得する咽頭マイクを装着し、笑いが発生した際の各部位の反応を筋電図によって表示することができます。
以下の図には、上からそれぞれ「顔」(水色)、「喉」(赤色)、「腹」(黄色)の波形が表示されています。
左側の図では、3点の部位のすべてに波形が反応していることが分かります。
これは笑いが計測された際に、顔と喉と腹のすべての部位を使って笑いを行っていたことをあらわしており、いわゆる「大笑い」という笑いの分類を行うことができます。
同様に、右側の図では一番上の「顔」のみに波形が見られることから、顔の部位を使った笑いであったことが分かります。このような笑いは「愛想笑い」と呼ぶことができます。
この「3点測定システム」を用いて実際に笑いを測定している様子については、以下の動画をご覧ください。
(再生ボタンをクリックすると動画が再生されます)
このように、笑い測定機を用いることで、その人が笑った際にどこの部位が反応しているのかが一目瞭然となるのです。
「笑い」を分類してみよう
また、笑い測定機で笑った際にどこの部位に反応があるのかが分かると、反応の有無とその組み合わせからある人がどんな笑い方をしたのかという「笑いの分類」を行うことができます(下表参照)。
上表では、色々な笑いの分類を挙げていますが、この中で注目してもらいたいのは《おかしみあり》に分類されている笑いです。
この種類の笑いには、すべて「腹」の反応が入っています。
やはり、腹に反応がある笑いには、私たちが「面白い」「おかしい」という感情が入っていることが分かります。
普段、私たちは、色々な笑いを感覚的に捉えてその分類を行っていますが、このように笑い測定機を用いるとそれを客観的に行うことが可能となるのです。