腹部の「笑い」の特徴
本サイトでも何度か取り上げているように、人間の「笑い」の反応は「顔」「喉」「腹」の3つの部分にあらわれます。
このうち、「顔」は「笑顔」として、「喉」は「笑い声」としてあらわれますので、他の人からもその人が笑っているかどうかはすぐに分かります。
ただし、残る「腹」の笑いは、周りの人からも分かりにくいという特徴があります。
今回は、この腹の笑いを取り上げ、顔と喉と違ってどのような特徴があるのかについてご紹介します。
「腹」にはその人のホンネが出るのです
実は、「腹」という言葉には「その人が本当に考えていること」と深いつながりがあります。
たとえば、「腹を探る」「腹を割って話す」「腹づもり」「腹の底」という言葉がありますが、これらはいずれもその人の本音を表現しているものです。
このような言葉の特徴からも分かるように、腹というのは他の人から見えない部分でその人の本当の気持ちなどがあらわれる部分として古来より認識されていたわけです。
これと同様に、「腹の笑い」にもその人の本当の気持ちがあらわれます。
先にも触れたように、顔と喉の笑いは表情や音声が他人からも認識できるのでその人が笑っているかどうかについてはすぐに分かますが、腹の笑いは隠れていて見えないために、顔にも声にも出ないような笑いについては他の人からは分かりません。
たとえば、お葬式や電車の中などで何か「思い出し笑い」をしたようなときのことを考えてみてください。
周りの状況から、いきなり笑い声を上げることもできないために、お腹の部分に力を入れて笑いをこらえようとするはずです。
これはいわゆる「こらえ笑い」といわれるものですが、このような笑いを行うときには腹の部分に笑いの反応があらわれます。
この腹の部分に「笑い」の反応があるということは、その人の本心、すなわちその人が本当に「おかしい」「面白い」と感じて笑っているかが分かるということになるのです。
通常であればこのような腹の笑いは見えないので把握できないのですが、私たちが開発してきた「横隔膜式笑い測定機」であれば、この腹の部分にあらわれる笑いをキャッチすることができるのです。
「笑い測定機」で見る「腹の笑い」
腹の笑いは、より厳密には「横隔膜」の部分を使った笑いになります。
横隔膜式笑い測定機は、筋電計という筋肉の動きをとらえる装置を使った笑い測定機で、笑ったときの横隔膜の動きを波形として表示することができます。
以下の図は、実際に横隔膜式笑い測定機で笑ったときの横隔膜の反応を検出したものです。
なお、周期的な波形の突出は心拍(心臓の反応)をあらわしており、それらにはさまれているギザギザの波形が「笑い」をあらわしています。
「腹を抱えて笑う」という言葉にも示されているように、横隔膜の笑いにはその人が本当に「おかしい」「面白い」という感情を抱いたときに反応があらわれるという特徴があります。
図で見ると、腹の笑いがしっかりと記録されているのが分かります。
このように、笑い測定機を使うと、腹の部分の笑いに出てきたその人の抑えきれないホンネを捉えることができるのです。
なお、横隔膜を使った笑いは呼吸器の運動とも連動しているため、心身の健康に良いとされています。
とはいえ、笑いを押さえ込むような「こらえ笑い」ではなく、普段の生活の中ではできれば腹から自然に笑えるような大きな笑いを増やしていくことを心がけたいものです。
「笑い測定機」を用いた笑いの計測については、こちらの笑い測定機で「笑い」を「見える化」するのページをご覧ください。
また、笑い測定機の仕組みについては、こちらの「横隔膜笑い測定機」の特徴のページをご参照ください。